毎日決まった時間にコンビニに現れるおじさん。彼は毎日ひとつずつ煙草を買うのだが、一番ずつ番号が若返っていくのが店員の間で物議を醸し、名物おじさんとなる。冒頭からの掴みが抜群。夜のコンビニ事情という人々がちょっと知らない世界。派手なことこそないけれど、ちょっとしたミステリー空間ができあがってワクワクしてしまう。 さて、ここでわき上がる疑問は、「おじさんは1番の煙草を買ったらどうするのか?」 物語は、出だしのミステリアスな雰囲気を覆す涙なしには終われないラストを迎える。 【この物語は、店員と客の物語である】 と、作中で念を押されているように、おじさんと主人公の関係は確かにそれ以上でもそれ以下でもない。しかし、二人は会計を通して自然に認識をしあい、関係ができあがっている。なんだけれども、やっぱり店員とお客さん。私事ながら接客をやっているので、この辺の機微が実にリアル。 一歩踏み込んで声をかけてみたとき、どんな反応が返ってくるだろうという緊張感。相手も自分を認知してくれていたんだと知ったときの安心感。凄く身近な暖かさでした。 コンビニという小さな空間に出入りする老若男女を利用し、人間ドラマがぎゅって詰まった優しい世界でした。

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