八神ユーリ

…続き 「…ふう、君…危なかったわね、たまたま私が通りかかったから良かったものの…」 「本当に、なんとお礼を言えば……そうだ!今集めてきた素材の中から一つ、プレゼント…」 ダンジョンの外の安全地帯で女が一息吐くと男はお礼を言って大きな袋を広げる。 「え?いや、あんな出入り口であんな状況だったのに素材も何も無いでしょ?いらないわ」 「そう?じゃあお礼の言葉だけで…本当にありがとう」 「気にしないで、次からは気をつけるのよ?」 男の提案を断った女にお礼を言うと笑って忠告されたので、男は頷いて別れた。 …そして三日後、別のとある危険なダンジョン。 「…不死鳥の翼、羽、嘴、爪…獣王の牙、爪…よし…あとはいいや、極上の蜜」 ダンジョンのボスを二体同時に相手取りながら殺さずに倒し、素材を取った後に男は道具を使ってモンスターを回復させる。 「クエー!」 「グオー!」 「…なんだ?やんのか?」 全快したモンスターが男に向かって威嚇し… 男が『Lv.91 田吾作の槍』を構えるとモンスターは一目散に逃げて行く。 「あ、オチた…まあここのモンスターは大して強くないから大丈夫…」 「グフー!」 持ってた武器が煙になって消え、男がそう呟くとオークが目の前を通り過ぎた。 「…あらま」 「グフー!」 「グフッ!」 男は更に現れたオーク数体に完全に囲まれる。 「…Lv.5以上来い!95%の確率…!ガチャ」 『Lv.2 棚兵衛のフォーク』 「…食器!武器じゃなくて食器!…プロレスラーじゃねぇんだからフォークでどう戦えっつーんだよ!!」 男は魔法で出したガチャガチャの機械から出た武器を地面に叩き付けてツッコミながらキレた。 「あー!もう!やってやるわ!フォークでオークに勝てるワケないだろうけど!やってやるさ!」 自暴自棄のように男は叫んでフォークを拾って突き出すように構える。 …10分後。 「ぐふっ!」 やはり当然のようにフォークではオークに敵わず、ボロボロになった男は地面に転がった。 「…あー、死んだわ…」 「グッ…!?」 「ガッ…!?」 「大丈夫!?…ってあんた、この前の…」 数体のオークの同時に振りかぶられた棍棒を見て男が呟くと、オークが真っ二つになって倒れ…女が声をかけてくる。 …続く?

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