ぅりょうち

子の父親はなく、一人で育てていくという出だしに、ちょっと嫌な予感というか、「あれ?ハッピーエンドにならない?」と、恐る恐る身構えて読み進めました。 そして、悲しくて暗い結末にやるせない気持ちになりました。 トラウマの当てつけのように衝動的にあんなふうに消えた彼が憎らしい。 彼は過去からも萌咲からも向き合わずに逃げたんだと思いました。ずるい。 けれど、物理的な距離が障害となってしまうほど、想い合っていても2人の関係はもろいものだったんだなと思いました。 彼の後を追うことができず、苦しんでいたときに新しい命の存在を知り、それを生きる理由にする。 彼女の出生が悲しい事実でも、子の父親がいなくても、今のこの現実を生きていくという、女って強いなあと思いました。 でも実際問題ひとり親の子育ては苦労が多いと思います。 子の存在だけでなく、もうちょっと希望の光みたいなのがあってあげてほしいなと思ってしまいます。 やっぱり彼は生きていたとか。んなわけないか。生きているとしても呼吸しているだけとか。それはそれで残酷かな。 ここでおしまいなのが短編ですかね。
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私の親友の一人に、父借金作って蒸発、母不幸を苦に自殺、という就学前に両親を失った子がいます。 このヒロインは彼女がモデルです。 彼女は膠原病を患い、結婚後も子供は授かれませんでしたが、「それなりに幸せ」と言って暮らしています。育ての親であるお爺ちゃんお祖母ちゃんも、高校生になる頃には他界してしまい、兄と本人だけの家族になりました。 私は、自分の家もごたごたしていつも居場所がなくなるとこの親友の家に避難しました。私の育った苫小牧市は片親世帯が本当に多い町で、周りはなにかしら歪な家庭環境の中人生を構築していかねばならない友達が他にもたくさんいたのです。 そんな境遇から、親に恵まれなくても、伴侶に
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過酷かもしれないけれど、ヒロインが我が子に愛情を持って生きていこうとしている、それ自体が「希望の光」なのです。救いなのです。それが出来ずに、コインロッカーに捨てられたり、ごみ箱に捨てられたり、人知れず生まれ死にゆく命も実際にあります。母という生命線が子にとって大きな器なのです。踏んだり蹴ったりな人生でも、萌咲は「母になる」ことで救われています。そして、支離滅裂で自殺した悠人をあのタイミングで亡くしたことで、「永遠にふりやまない雨」のような愛を感じながら生きていくことができます。命は呆気なく消える、だからこの子を守らなくちゃという原動力になっていく……。そんな決意を感じて貰えたら良いな、なんて作
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