西 東

もしこの美しい青虫に出会ったら、場村と同じ運命をたどる人は多いのではないかと思います。 少なくとも、私は間違いなく飼育に手を出しますね。大きさと言い食草もありふれたものですから。 種類も判明しない中、持ち前の性格でかいがいしく世話する様子は虫に抵抗がないので共感していたのですが、僅かに入り込んでいる異常な部分には内容がもう少し先に進んでからやっと気付きました。 完全におかしいと気付く頃には、とうに手遅れな様子の場村が居るのですが、彼に共感していたからでしょうか、異常な状況なのに羽化まで見届けたいと思っていました。 果たして何が羽化したのか、一体何が起こり場村がどうなったか、一つの罠としか思えない青虫が薄気味悪いです。
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レビュー、ありがとうございました。 SFかファンタジーかホラーか、ジャンルで迷いましたが、ホラーとしました。どれでもよいような感じもします。 僕は「虫」が出てくる話をちょくちょく書きますが、それは虫に人間とは相容れない性質を見出し、そこに対立が生まれるからです。 感情のない虫には、繁殖する、ということ以外に存在理由がなく、自らの生命さえ重きを置いていないような習性が不気味です。 そんなものと対しなければならないとき、人間にはどうにも勝ち目がないような気がします。 この話にも、まんまと虫の策略にかかってしまう哀れな人間が登場します。 したたかに生きる虫には、人間など単なる繁殖するために利用
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こちらでも失礼致します。 ジャンルは確かに幾つものカテゴリーにまたがっている作品だと思います。 きちんとカテゴリーに当てはめるのは時に難しくなりますよね。 虫への考察は、脚や頭が取れてもなお動ける体の作りや、蟻等の社会性昆虫と呼ばれる虫を見ていると頷けます。 機械っぽさがありますから。 小さな青虫に対して嫌悪感を感じる人はいても、危機感を感じる人はいないでしょうから、飼い始めた地点であの結末からは逃げられないのでしょうね。
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