有栖川 露陰

『夢見る者の御座は、今ぞいとゞ暗し これを圍ふは四枚の板  宛然柩に似たり』ヴィリエ・ド・リラダン まだ序盤を読んだばかりですが、圧倒的スピード感で物語に引き込まれました。 この激烈な勢いで物語を紡ぐのは、とりもなおさず稀有な才覚の閃きであると思います。 冒頭からジェットコースターみたいに読ませる筆力は矢張りセンスや特性に属するものかな、と痛感しているので、天晴れ、やられた!と快哉を叫んでおります。 しかし、これだけのクオリティで物語を紡げるなら、まだまだとんがった設定、ギミック、その他もろもろ、突き抜ける力を作者様はお持ちのはずと思います。 十分に個性ある作品、優れた作品ですが、もっともっと高みを目指して突き抜けて欲しいな、と感じます。 かなり力を込めて多方面で展開されてる作品とお見受けしますゆえ、普通なら大喝采で〆のところですが、まだまだこれで終わらない力があると信じ、更に高く、更に前に、と一層の奮起を願います。 しかし、やっぱり、何をおいても、うつし世のまこととばかりに舞い踊る少女人形たちが非常に魅力的です。 人間以上に生きている、未來のイヴ達に万雷の喝采を!
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