八神ユーリ

…続きの続き。 「おお!またしても神の助け!…いや、女神の助けか…」 「グッ…!ガアア!!」 「グフゥ…!!」 絶対絶命のピンチでの助けに男が安堵の息を吐きながら呟くと、オーク達が女に襲いかかる…も簡単に一蹴され残りのオーク達は逃げて行く。 「…ふう、大丈夫?」 オークを撃退した女は男に手を差し伸べながら問う。 「助かったよ、今回ばかりは死を覚悟したものだ」 「…私は用があるから行くけど、この先にはあんなオークよりも強い魔物がいっぱい居るんだから大人しく帰る事ね」 「そうする…二度も助けて貰ったんだから今度こそなにか…」 「…今は荷物に空きが無いから要らないわ」 男の二度目の提案をまたしても断りさっさと歩いて行った。 「…あー、酷い目にあった…天の助けがなかったらどうなってた事か…痛てて…極上の蜜」 男はダンジョンの入口で回復アイテムを使って全回復するとダンジョンから出る。 …三時間後、闇市奥深く。 「そんな!約束が違うじゃない!」 「約束だあ?そんなのは破るためにあるんだよ!」 「…この、外道っ…!!」 「なんとでも言うんだな、売れてしまったものはしょうがない。はははっ!」 男が露店を見て回ってるとなにやら聞き覚えのある声が誰かと言い争っていた。 「ん…?あ、さっきの」 「… え?あ、あなたは…」 騒ぎの下に行って見るとやっぱり恩人である女で、男が声をかけるとどうやらあっちも気づいたようだ。 「なんでココに…?」 「…あなたには関係ないわ」 「それもそうだ、じゃ…」 男の問いに素っ気ない態度で返した女の言葉に賛同し、手を上げて踵を返す。 「あ…やっぱり待って!」 「え?」 「あなた、ココには良く来るの?」 男が少し歩いたところで女が制するように叫んで追いかけてきてそう問う。 「いや…たまにしか…」 「…そう、なんだ…もし、だけど…不死鳥の涙を…ううん、ごめん。やっぱりなんでもない」 男の返事に落胆したように呟き、何かを聞こうとして女は思いとどまったように止める。 「不死鳥の涙?それならさっき…」 「!?売ってる所を知ってるの!?ぜひ教えて!」 男が何かを言いかけると女が食い気味に距離を詰めた。 …続く、かも…

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