焼き肉

半分くらい逆恨み(外国人とともに入って来たものの中に母を蝕んた病気もあった、っていうのは、あまり詳しくないのですが、少なくともその時代の有力説としては事実なのかもしれないんですがそれでも)な感情も含めちょうど時代の境目に生きた女の子の(いい部分も悪い部分も)素直な気持ちが、時代背景とともにしっかり描かれた作品だと思います。 ふみちゃんは本気で外国人を恨んでいたというよりは、友達も妹も父親もみんな環境の変化を受け入れて、ある意味母のように連れていかれてしまった状態で寂しかったのかな、と思いました。やり場のない怒りと寂しさをどこに持っていけばいいのかわからなかったというか。 時代の境目が持ってきたのは変化の悲しみでもあり、ガス灯がもたらす少しだけ複雑な明るい希望の光でもあり、読後感は良いのですがふみちゃんの複雑な気持ちもわかるなと思う作品でした。 恨みの感情もなく、時代の変化にすぐ適応して英語まで喋れるお父さんがイケメン。
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ものすごくしっかりとしたレビューをいただいてありがとうございます!とっても嬉しいです! ふみの感情は、こういう生い立ち、経緯だったらこうかな、というのをじっくり考えてリアリティを追求してみたつもりです。そういうのが伝わっていたならば作者冥利に尽きます。 お母さんがコロリ(要するにコレラです)で亡くなったくだりは、実際この時代の流行り病で、当時の人には異人が持ち込んだ病気と信じられていたようです(諸説ありますが)。 重ねて、素晴らしいレビューをいただきありがとうございました!これを励みにまた何か書いていこうと思います!
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