あーる

見守るような優しさは癒しになるけれど、時に突き放されたさみしさを感じる。 強引さは頑なにさせることもあるけれど、時に目の前の視界を開くこともある。 同窓会で再会した親友だったふたり。 あの頃。眩しいほど輝いていた影もなく落ちぶれた姿を晒す友人に手を差し伸べる主人公は、災難や挫折を味わい、負ばかり着込んでしまった彼の衣をゆっくりと脱がせていく。 でも、それは本当の優しさなのか……主人公も感じているはずの感情。 そして、そんな相手から突如突きつけられる、主人公が着込んでいた弱さや狡さという衣の存在。 この男同士のプライドや葛藤も絡むふたりのやり取りに、時に甘く優しく時に強引に厳しく……お互いを尊重し合うことこそが生きて行く糧になるのだな、とそんな事も感じました。 個人的には、ナツがキャシングまでして同窓会に参加した意図を慮り、その席でどんな気持ちでいたのかと思い巡らしてしまい、勝手にじわっとしてしまいました。お年頃のせいか、涙腺がユルユルで困りものですw キャプテンとムードメーカーとしてチームを盛り上げていた高校生の時のように、一緒にいることでお互いがお互いを盛り上げられるパートナーになる、そんな予感がするふたりです。 たぶん、表紙から。 一気に物語の空気感に包まれて、甘いだけじゃない、ビターな大人の世界を感じられる素敵なお話でした。 (寓話「北風と太陽」にいろいろな解釈があるように、これも個人的な勝手な妄想爆発の解釈です(^-^; 作者さまの意図外着地をしていたらすみませんw)
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あーるさん素敵なレビューをありがとうございます! 楽しんでもらえて良かった! タイトルの解釈とても嬉しかったです^^ 「主人公が着込んでいた弱さや狡さという衣の存在」 これですよね! 大人になってさらに頑丈になってしまった自分を守るための言い訳や常識的な振る舞い。(学生の時から筋金入りの臆病さw)大学時代にナツを失い、深く後悔したクセに、再会したナツと距離を詰めることがちっともできないダメダメ男の鎧を脱がしたのは……というお話でした^^ そして「ナツがキャシングまでして同窓会に参加した意図」 ここを想像してくれてありがとう! ヽ(;▽;)ノ そうなんですよねぇ。羽振りの良さそうなヤツに
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