綾崎暁都

シンギュラリティから四半世紀近く経った2065年、生活に関わる様々な分野で密接に関わるAIイリスは全ての人類の共通項になっていた頃、イリスがこのまま行けば第四次世界大戦は避けられないという予測をしてしまう。それを避けるため、イリスは人類全てを統治しようと動き出すのだが、これに立ち向かうミヤビ・ナルという少女がいたという内容のストーリー。 女の子が主人公のお話で、この年頃ならではの女の子らしい一人称の語りが、SF小説としてとても新鮮に感じます。 テクノロジーは決して完璧ではない。人工知能であるイリスが精神疾患を起こしたため、人類を自分の手で管理しようとするディストピアを描いたストーリーなのだけど、そもそもの原因は人の業がもたらしたもの、そのことを訴える強いメッセージ性を感じます。 ナルはこのことに必死に戦った結果からなのか、それとも犠牲のためか分からないけれども、最終的にはイリスと融合して新しいイリスとなってしまう。 これから現実世界で起こるであろう、様々な問題提起を描いた作品。読んでいて感情的になってしまったり、どうしてもモヤモヤした気持ちにもなったりしましたが、でも、ナルが歩んできた道筋がただ技術革新がもたらす脅威ではなく、これから僕らが歩んでいく未来に向けた道のりであることを切に願います。 『イリス』はエブリスタで過小評価されている作品の一つだと思います。コンテストで入賞していないことにも驚きました。この作品こそ、ぜひ多くの方に読んでもらいたいと思います。エブリスタのユーザーの方はもちろんのこと、エブリスタや出版社の編集者の方も、ぜひこの作品を読んでもらえたらと思います。ちゃんとした形での書籍化、そして劇場版としてこの作品を楽しむことが出来る日を願っております。 素晴らしい作品との出会い、本当にありがとうございました!
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詳細レビューいただき誠に恐縮であります。ありがとうございます!!イリスは紆余曲折しながらも最後は人類を信頼したのだと自分の中で思っています。必ず人知を超えたAIとはいつか接触する日は訪れるので様々な思考実験が必要だと考えています。イリスがそのご一助になれば幸いです。うつ病である上に忙しくなかなかじっくり読む時間がないのですが綾鷹大和さんの小説もいつかレビューさせていただきます!雰囲気に親近感を感じる小説が多いのでスローペースですが必ず読破いたします。ありがとうございました。
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あまり無理なさらないで、自分のペースで創作活動してください。 ではまた。
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