けいたん

こんにちは(=^ェ^=)けいたんです。 烏丸さんは多彩な引き出しをもっていらっしゃる作家さんです。 他の方のレビューにもあるように執筆の早さは驚異的です。次々と引き出しを惜しげも無く開いて、読者を惹きつけてやまない。そのスピード感は天才的なのです。 『うつせみ』は、24歳の綾乃が離婚して実家に戻るという決して昨今珍しくは無い不幸な出来事から物語が展開します。 綾乃はまるで灯籠の中心でゆらめく焔であり、その光に映し出されて登場人物が現れては消えていきます。彼らは何かしら心の奥底に澱をため込んでいて、それが舞い上がり平穏を濁すことを恐れている。 与えられた生と奪われる性の混濁は、汗臭く泥臭く嫌悪すべきいびつさで綾乃を縛っている。 それを彼女は清めるように、高校二年生の正宗を求めているように感じました。 小説の構成として百人一首が引用されています。 どの解釈も一般的な物にとどめておられるのも、烏丸様のセンスの良さでしょう。 古代から受け継がれた愛の歌は綾子にとって聖域なのではと読者に深読みさせる効果があります。 ワタシが個人的に好きなのは綾乃が決して自分で和服を着付けないところです。 和服を自身の好みで選びながらも身にまとうのには人手を借りる。 その行為には諦観があります。 巧みに人物の視点が入れ替わる構成を読み込むには、読者の側にも鋭い感性と集中力が求められ、難易度の高い小説を読ませるには言葉の美しさそのものに魅力がなければ読み進めることは困難でしょう。 思索を繰り返しながらページをめくる。 その知的な作業は読書の持つ恍惚を呼び覚まします。 この物語の軸になっている『空蝉』。最後まで読み進め、源氏物語の空蝉のごとく綾乃はするりと優美にワタシの手を逃れてしまいました。 現在300ページまで連載中との事。この先の展開次第で綾乃の未来を知るチャンスがあるかもしれない。 綾乃にも赦される時が来ると願うのは、すでに彼女に魅了されたからでしょう。 今後の更新も楽しみにしています。ありがとうございました(=^ェ^=)
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けいたんさん、とても素敵なレビュー有難うございます! 執筆スピードは、早いとよく言われるのですが、まさか読んで頂いていたとは、感激しております! 仰る通りで、綾乃、彼女を中心に人物が入れ替わります。 時系列的な物は注意しておりますが、読み手側の感性を引き出したいという文章になってます。 身を引き締める、という事で着物の着付けだけは、綾乃と物語りを引き締めるのに使っていますので、そのシーンを汲み取って下さり、光栄です! 視点ワークが、中心から周る様に展開する構成でスピードをつけてるので、読み手の技量も必要になるだろうと、沈みがちな題材を沈めない。この様に展開させて頂いてます。 かも知れない、どう
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