大河原洋

今回、小説を読んだ後、稲川淳二さんの批評も観てみました。 先ず私が読み終えて思ったのは珍しいタイプの怪談だなと言うことです。 実際には無い物を見る、聞く、出会うというのは怪談の基本ですが、部分的に、具体的に言えば炬燵の中だけで怪現象が起こるというのは個人的に余り聞いた事がありません。 それと、その状況を誰かと共有しているというのも珍しいと思います。 よくあるタイプだと布団の中に誰かいるですが、たいてい1人です。あとはクルマのアクセルを踏んだ足をつかまれると言うのもありますが、これも他の人が見ているというのは少ないと思います。 この作品でも直接見ているわけではありませんが、それ自体は普通にある掘り炬燵に脚をいれたらそれは違うと言われ、その前の少女の死が見事に恐怖をかき立てます。 それに老婆も気付き、「ゆっくりと脚をだせ」と言うところがのっぴきならない雰囲気を見事に演出しています。 猫が炬燵から飛び出し怪異の終りを感じてホッとした後に、その前に見た眼が猫の瞳ではなかったことが、まだあの炬燵には少女がいるということを感じさせて怖かったです。 とても楽しませていただきました。 さて、稲川淳二さんの批評についてですが、個人的に納得できないところがあったので改めて指摘させていただきます。 稲川さんは冒頭の風景描写が細かすぎると仰っていましたが、私はそれほど細かいとは思いませんでした。 たしかに、全体の分量からすると少し長めかも知れませんがそれほど気になりませんし、主人公がどんな場所にいるか読者を引き込むために良いと思います。 それに関連してリズムもそれほど全体の流れを損なう物ではない気がします。 冒頭部分に描写が集中しているので、ゆっくりスタートし一気に怪談の流れに持って行く手法は悪いとは思えません。 ただ、これが人が語る怪談やシナリオだと別ですが…… あくまで私見ですが、気になったので改めて書かせていただきました。
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お読み頂きありがとうございます そもそも炬燵で怪談って珍しいですよね(笑) 妄想こたつ回で何かいいネタないかなって悩みまくって、掘りごたつが小さい時怖かったことを思い出して書いてみました 稲川さんはシナリオを求めていたのではないかな?と言うのが私の感想です ですから、話やすさを基準に選んでいるし、話すのに邪魔なものはいらないんだと言いたいのだと思いました 私たち書く側の人間は、読んでもらうことを念頭に書いていますから、ある程度描写を書かないと……薄っぺらい感じになってしまします その辺が今回のコンテストでのすれ違いと言うか、大賞が出なかった理由ではないかと思います 実際私のより怖いものはい
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いいえ、そもそも私は話を怖くするのが苦手なので難しいと思います(^_^; 今回は『最恐』とあり、色々怖い話を考えたのですが全く浮かばず、ANIMAに応募用のシナリオを書いていました。 『冷えた指先』はいつか完全版を読みたいです(*^_^*)
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