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天空のカメラマンはカラまわり
天川夏織
2018/12/1 15:46
これを読んで、作者はプロ作家なのかな、と思いました。 そんなに難しい言葉を使ってないけれど、分かりやすい文体で爽やかなストーリー、読み手の目線でしっかり書けてるなと思います。 正直、欠点らしい欠点もなく、私がもしなんかの賞の審査員なら、推したいぐらいの作品です。 良いところはとてもたくさんあって、ちょっと長くなりそうですが、いくつか挙げていきます。 まず、主人公の心情がはっきりと読者に伝わること。 たんたんと事柄を描写していくシーンと、主人公が落ち込んだり、喜んだりするシーンをうまく使い分けている点が印象に残ります。 神童と呼ばれていた彼女が苦悩している姿、幼なじみの手料理を食べてはしゃぐ姿、空を見上げて被写体としてしか捉えてないことに気づく場面、そしてラスト。 それぞれに心情を表すに適切な描写なり表現が使われています。 ラストに明るく終われるのも、手料理を食べるシーンでそれまでの悩みは置いといて、本当にこのケーキが好きだという気持ちを存分に描いているからこそです。 その辺りのメリハリ、あるいはエピソードの尺の使い方が良くて、全体のバランスがとてもいいのです。 テーマ選びも短編にぴったり合っていて、起承転結的な流れもスムーズです。 読み返してみると、会話や風景描写など、最低限必要なもののみで進めていて、私はとても読みやすく気に入っているのですが、文芸作品としてみた場合、もう少し書き込んでゆく余地はあるかも知れません。 タイトルに関しては、「天空のカメラマン」だけでもいいような気がしますが、これは私の私見なので気にしないでください。「カラ回り」と入ることでやや安っぽくなる感じを持ったので。 とにかく、とてもよく出来た作品だと思います。 読み手も希望を持てるストーリーで読後感がいいです。
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あおの
2018/12/1 19:40
レビューありがとうございます! ご丁寧で詳細なコメント、とても嬉しいです。勿体ないお言葉の数々、ありがとうございます。 良いところをたくさんあげていただき、喜んでおります。細かく読み取って下さって、作者冥利に尽きます。 タイトルに「カラまわり」を入れたのは、主人公が上手くいっていない様を表したかったからですが、ご意見参考になります。今後タイトル付けで気をつけようと思います。 また、もっと書き込む余地があるかもしれないという意見、今後の作品に生かしていこうと思います。 本当に素敵なレビューありがとうございました!
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