しのき美緒

語彙も豊富。流れもいい。生徒たちの書き方もいい。とても上手い。 著者様もおそらくは自信があった作品だったのだと思う。 落ちた理由を探すのが難しいが、妄想コンテストという観点からみて、「お題」の「目が覚めるとそこには」と微妙に作品がずれてしまっているのかもしれない。 覚醒というのが、気づくと幽体離脱していることなのか、それとも自分のやってきたことを自覚して職員室へ向かうことなのかがわかりにくかった。 普通の小説であればこれはさしたる問題ではないし、むしろテーマが通底していると捉えられ歓迎されるところだが、妄想コンテストではテーマと答えが一対一で対応している作りが好まれているような気がする。 本作品では「いじり」だと「いじめ」を強弁する生徒の姿がリアルに描かれていて、お題の要求よりも遥かに重いテーマを抱え込んでしまったために選外になったのではないか、と思う。 それくらいよくできた作品で個人的には大賞作品より好きである。 妄想コンテストにこだわることなく、もっといじめる側やいじめられる側双方に踏み込んだ描写を取り入れて、幽体離脱ではなく、田中との直接対決に置き換えて中編に改作してみてほしい。ジャンル応援や他の賞を狙える作品になると思う。 綾さんとしのきの合同レビュー企画へのご参加、ありがとうございましたm(_ _)m しのき美緒
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素敵な企画に参加させていただきありがとうございます! 初っ端からこんなに持ち上げていただいていいのでしょうか。選外で落ち込んでいた時の自分が成仏する姿が見えます。 やっぱりと言うべきか、見抜かれてしまうものですね。門が狭いといえどもくぐる気満々で挑んでいるので、門の前に辿り着く事も叶わなかったとなるとがんばった分ヘコみはします。高望みですが、ご指摘の通り自信作でした。 続くご指摘も明瞭でためになります!「落ちた理由を探すのが難しい」だなんて勿体ないお言葉です。 お題とのずれ…根本的な問題ですね。 妄コンならではの観点から見ていただけてありがたいです!経験のある方ならではの視点で定めていた
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