紗真

ありがちであれどあってはならないテーマ、作中に登場するマーマーッターというツール、身近に感じられる物語でした。 まず、前半にあるツールの説明から見事だと思いました。恐らく基になっているのはツイッターですが、普段何気なく使う物を基礎から改めて説明するのはとても難しい事だと思います。理路整然とまとめられていて、まだそのツールを知らない人でもイメージしやすいのではないかと思います。 俗に「陰キャ」「地味」などと称される、ヒエラルキー下層生徒の特徴を「影」と言い表す所もお見事だと思いました。「ぼっち」とは限らず、本来迫害される程でもないのに、度々不利な方に回ってしまう、何と言い表せばいいのか悩んでしまう行動、趣向。「影」という言い方はとてもしっくり来ますね。主人公が言うように心地良い部分でもあり、ごく当たり前にあっていいはずなのに悪いもののように呼ばれる。転じて「隙」とされてしまうのも言い得ていらっしゃるな、と思いました。漢字一つでこんなにわかりやすく、かつ的確に言い表せてしまうものなのですね。 9ページの「どうしても気になるなら、ヒロくんが大人になった時に返してくれたらいいよ」という一言が、御影の優しさを鮮やかに表しています。 悩みを聞く、奢ってあげるだけでなく、未来のヒロに何かしら課す事で現在を諦めない具体的な理由になろうとする。綺麗事や偽善でない、真の意味での優しさを持った主人公だと思います。 心を通わせた男と女だからといって、安易に恋愛関係に結びつかないのも良いと思いました。不必要な温度は生じず、深いところで繋がり合う。御影の言う「乾いた関係」は、最も理想的な友愛の形であるように思います。 派手なアクションは出てこないのに、乾いた関係の二人の一時的な逃避行が凄まじい画素で頭の中に広がります。タイトルの通り「君の味方」という姿勢を崩さない御影の強さと、それを受け取るのにふさわしいヒロの優しさの調和が眩いです。 重い十字架を背負うだけでなく道標にして誰かを救う御影はとても魅力的な登場人物ですね!
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レビューありがとうございます。 そうです、マーマーッターの元になっているのはツイッターです。ツイッターの名前を出さずに、このツールを説明するのが難しく、苦労した部分なのでそう言っていただけてとても嬉しいです。 「影」「隙」で表現したものを適格に読み取っていただき、作者冥利に尽きます。 御影の優しさへの言及も嬉しいです。 >>御影の言う「乾いた関係」は、最も理想的な友愛の形であるように思います。 この一文、とても嬉しかったです! この作品で全体を通して伝わったらいいな、と思っていたことなので。 ふたりのひとときの逃避行が頭の中に広がった、と聞いて喜んでいます。 そして御影を魅力的だと言っ

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