紗真

『グリーンカーディガンおばさん』…どこかポップな響きすら感じるタイトルですが、大変怖がらせていただきました。 ペコメの返信に「これで怖いかとビクビクしながら書いています」とありましたが心配ご無用です。しっかり怖いです。 マンション内の様子が具体的に思い描けて序盤からクオリティが高いです。実際に歩いたらさぞかし不気味だろうと感じつつ読み進めました。最初に狙われた男性が部屋にやって来るシーンも臨場感があります。 上げて落とすような展開が巧みです。蛍光灯のトリックにより炙り出される本物、8ページのラストから二行目「乾燥機の中にいた」という一文にぞっとしました。 「グリーンカーディガンおばさん」と銘打っているのだから、佇んでいるにしろどこかから飛び出してくるにしろ一目でわかるモノだという前提で読んでいたので、後からじわじわ来るタイプの怖さに慄くというのは意外な仕掛けです。 マンションだけに限定された都市伝説ではなく、しかしその場に留まるのが危険という事だけがわかるのはじわじわ来る恐怖の速度が上がっていくようで、良い意味で大変卑怯な設定だなと思いました。 二番目の女性と同じく、落ち着いて洗濯できなくなってしまった主人公。殺されてはいないものの彼もまた犠牲になったといえますね。恐ろしい……。 タイトルにある「グリーンカーディガンおばさん」が一度も目に見える形で出てきていないのに、ものすごく怖かったです!
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ありがとうございます!グリーンカーディガンおばさんは、「これはあくまで『怖い噂』の話だから」ということもあって、本人登場しない形で構成したのですが、そこを評価して頂けて嬉しいです!

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