あーる

立ちすくみ見上げるビルの谷間から望むまやかしの天の川。 無限に広がる空間に煌めく大河のように夜空を渡る天の川。 主人公 凛那の心持ちが伝わってくるふたりの物語の始まりと終わりの夜空の情景。そこにこの物語に流れる澄んだ空気、想いを感じられます。 自らの抱えたものに縛られ未来を描けず、アンダーグラウンドな世界で生きることを運命とし、息を潜めるよう生きている凛那。痛々しく、またある意味潔く、幸せを求める気持ちをひた隠し押し込める姿に切なさと愛おしさが溢れました。 そして、同じ男娼館で働く桐生。彼の存在が凛那を変えてゆく……凛那が己を知りしまい込んでいた希望、願いを解放していく。その過程がゆっくりじっくりと綴られて行きます。 幼い頃から培われ育った思考、取り巻く環境は急に変えることはできない。さらに凛那は複雑な生い立ちと一生切り離せない不自由さがある。 そんなものたちで凝り固まった凛那の頑なな心を、桐生はそのスペックの高さと温厚さ、そして時として天然さで、決して焦らずゆっくりじんわりと溶かしてくれる。 どうか凛那に幸せの意味を、本物の笑顔を、広い空を、教えてあげて欲しい。可能性のひかりを与えて欲しいと涙しながら心から願ってしまいました。 男娼、しょうがい、つらい過去と厳しい現実。そしてハードなプレイ……描かれる内容は時として心痛めるものがあったとしても、物語の芯にあるのは純粋な想い。愛。 恋愛、慈愛、親愛、情愛、友愛……様々な『愛』を感じられました。 ラストシーン。明るいお日様のもとでなく、煌めく星空のもとでの契り。このシチュエーションがふたりのこれからの未来、幸せの予感をリアルに感じさせてくれました。 自分に素直になれた凛那君。どこまでも甘く優しい桐生さん。どうかふたりの上にいつまでも無数の星たちが輝き続けますように(;▽;) 素敵な物語をありがとうございました。 また、衣夜伽さんの作品を読めることを楽しみにしてお待ちしています。
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あーる様 心の籠ったご丁寧なレビューを書いて下さり、心よりお礼申し上げます。とてもとても嬉しいです。あまりに勿体なくて、目頭が熱くなりました。 思えば毎日突っ走るように夢中で書いてきましたので、自分ではじっくり味わう余裕もありませんでしたが、このように深く深く共感して読んで下さっていたことを知り、胸の震える思いです。ありがとうございます。 これからも、どこかしら光の射さない場所で生きている主人公に救いをもたらせるような話を書き続けたいと思っています。宜しければお付き合い頂けると幸いです。 本当にありがとうございました。 衣夜伽
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お返事ありがとうございます。 思わず熱い感想になりしました(笑) 勝手に妄想膨らみ作者さまの意図外着地をしていたらすみません(;´∀`) それにしても何度ペコメで涙の顔文字を送ったことかw でも読後に、桐生さんのお店で心のままにピアノを弾く凛那君に優しい微笑みを投げかる桐生さんの姿が浮かび、幸せな気持ちをおすそ分けしていただきました(;▽;) しばらくお休みとのこと、また新しいお話を読めることを楽しみにお待ちしていますね! 素敵なお話ありがとうございます。完結本当にお疲れ様でした(*´v`)
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