日常にひそむ、孤独と喪失のホラー。 踏み切りの「かあんかあん」という音が読者の不安感をかきたてます。 物語の中心は鳥海はるかとその娘、真央。 ふとした隙に真央が行方不明となり、半狂乱で探すはるか。 しかし、真央の存在を祖母も保育園の先生も忘却しています。なぜ? 一方、須田玲奈という幼女も行方不明に。 二つの幼女「神隠し」の周辺で、さまざまな人々の思惑がからみあいます。さながら、モザイク模様のように。 事件のカギを握る村田。はるかの隣人、山見。はるかの元夫の浩人、飛鳥という傲慢な妊婦。玲奈の母親。 そして幼女たちを乗せたナゾの電車はどこへ行くのか? この失踪事件を引き起こした「ひずみ」とは? ハリウッド的な怪物が襲ってくるホラーとは、作者はあえて一線を画し、むしろ母子の情や人との触れ合いに重点を置いている秀逸な作品です。
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おくやまさん、お読みいただけて、レビューまでいただけて、とても幸せです。完結した後の、最高のご褒美です。今、喜びに浸っております。 ホラーは少女時代から好きでした。だけど、残酷描写が強烈なホラーは苦手です。スプラッタ的なものも、得意ではなくて。 自分なりのテーマでホラーを書いてみたいです。これからもトライしてゆきます。 踏切、昔から怖かったんです。理由はないのですけれど。 実家の近くに遮断機のない古い踏切があるのですが、子供の頃は凄く嫌でした。あの音も歪んで聞こえるような気がして、なにか不気味で。 また、机の上にものを置いたのは良いけれど、次の瞬間、あれ、どこに置いたっけ、と、探してしま
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お忙しいところコメントをありがとうございますm(__)m 「踏切幻想」はじわじわと不安感をそそる絶妙のホラーでした。 最近の流行りなのかホラーというと、怪物が襲いかかってきたり、呪いがかかるといった「分かりやすい」タイプのものが多くなったような気がします。 井川さんがお書きになったのは、言わば日本的な「正体がつかめない、恐るべきもの」への本能を刺激する力がありました。 良質の作品をありがとうございます。 インフルが流行っておりますので、お体に気をつけてお過ごしください♪
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