八神ユーリ

『生産職が花咲く時』 …いきなりで悪いが…諸君らには生産職はどう映ってるだろうか? 鍛治しかできない? 調合しかできない? 料理しかできない? 錬金しかできない? 裁縫しかできない? 農業しかできない? 建造しかできない? グッド!諸君らの印象は的を得ている。 そう、生産職とは戦闘向けの職業ではない。 魔王が魔物を操り…人間が剣と魔法で戦う、この『ジ・アース』という世界では『生産職』というのはとても地味だ。 溢れんばかりの才能を持ち、神童と呼ばれていた主人公『栗 営人』。 勿体無い事に捻くれた性格で逆張りをして、あろう事か、地味な! …コホン、裏方としては重要だがいかんせん地味だと言われている生産職に、その溢れんばかりの才能を注ぎ込み…周りから白い目で見られていた。 だが! 時代は変わる! 魔王が… あの強大な力を待ち、数多の魔物を従える魔の王が!勇者によって倒されたのだ! それにより世界が変わる!時代が変わる! 長く激しく続いた戦いは終焉を迎え、新時代の幕開けとなったのだ! …ところで質問だが…世界が平和になると何が必要になると思うだろうか? 剣?…ノン。 魔法?…ノン。 正解は衣食住だ! 今まで見向きもされなかった生産職に人々は目を向ける事になる! 今まで日陰に隠れていたものが表舞台に立つ事になるのだ! そう!コレは…コレは『才能を無駄遣いした』と周りから嘲笑されていた主人公が評価され始める物語である! 戦闘能力が評価される時代に、不遇と嘆かれる生産職を極めてしまった男の、世界が変わった後に訪れる自分の時代になってしまった運の良い物語!

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