静かな静かなさざ波が、心に押し寄せてくる素敵なお話です。ああ、本当に。 男女平等で過ごしてきた学生時代から、社会に出た時に感じる性差のギャップは、多くの女性が感じるものです。 そして結婚し、人の世話をするのが当たり前な生活の中で、徐々に確立していくさらなる上下関係。少し余裕ができたなら、自分のために何か、自分に自信を持てる何かを探したくなるもの。 そんな地道な人生を歩いてきた主人公瑠璃子が見つけた、小さな骨董屋さん。 買ったものは、想い出でしょうか? それとも小さなアドバイスでしょうか?  土壇場になって、人は初めて、自分の本当の姿を見ることができるのかもしれません。 瑠璃子の強さとしなやかさ、人を責めたりしない優しさ。 もしかしたら贈り物をもらったのは、瑠璃子だけではないのかもしれません。 なぜなら宝物がずっと手の中にあったとしても気が付かなければ、その美しさに気が付くことはできないのですから。
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