【コメント】

何度整え呑みこんで、消化しようと努めても、すればするほど鮮明に喉奥から浮かんで。

　達観したように冷めた感情で日々を過ごす人が多い世の中ですが、そのような人たちも「元々そうであった」わけではないはず……。　本作が描く「身を焦がし全力で進む生きざま」を見て、そんな思いを抱きました。　人、あるいは世の中との距離感を上手に保てない不器用な生き方……。　おどけてみせる語り口がその悲哀をさらに色濃いものにしています。　決して明るい物語ではありませんが、他に類をみない色の光を放っている……。　そんな作品です。　貴重な体験をいただきました。

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