時野みゆ

暴君と呼ばれた皇帝ネロことルキウスは、実は女性であった。 そんな大胆な設定にまず驚かされました。 端正にして読みやすい文章。予備知識がなくても、丁寧な描写で読者は古代ローマの世界に引き込まれていきます。 物語で描かれているのは暴君などではない、聡明で心優しく、繊細で傷つきやすく、誰かを愛し、愛されたいと願うひとりの女性。 しかし彼女の愛はすれ違い、次々と悲劇を生んでゆく。 なぜ人々は死に急ぐのか。潔い死というのは古代ローマ人の死生観なのでしょうか。 ラストは哀しくも余韻を残す雨のシーン。ルキウスを歪んだ形で愛し、死なせてしまったオトもまた、静かに息をひきとっていく。 とても美しく切ない物語だと思います。  
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時野さん わぁあ! 素敵なレビューありがとうございます。 歴史上の人物を「男装の麗人」にしたく、調べている間に出会ったのがネロでした。 ただ、題材としてはネロはとてもとても魅力的で、実はもっと史実に沿った物語も書いたことがあるのですが……エンターテイメントとしてはこちらかなと、UPしました。 少しでも、琴線に触れることができたのであれば、嬉しく存じます。 ありがとうございました!
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拙いレビューですが、喜んでいただけたら嬉しいです。 なるほど、コンセプトは「男装の麗人」でしたか! イラストの件は、いざとなればフリー素材を探すという手もあるので、どうぞご無理をせずに、気楽にお考えくださいね(^^♪

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