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とめどない優しさを分かち合えるあなたと同じ夢を
あーる
2019/2/14 9:00
釈明会見。そんなシチュエーションから始まる物語。 何故、こんな会見を開かねばならなかったのか。会見で何が語れるのか。読者の興味を掻き立てながら、数ヶ月前へ、数年前へと時間は遡ります。 この導入がとても興味深かったです。否応なしにグイッと物語の中に引き込まれてしまいました。 傲慢でワンマンな経営者の竜嗣。彼には人に言えない秘密の想いがある。その表に出せず抱えている気持ちが、いつしか絡まり歪な形となり、高校時代の友人佑馬とボーイの晶太(アキラ)を巻き込み、世間を騒がす大騒動となっていく…… 竜嗣はなんて傲慢で身勝手なのだろう……そんな感情を抱きながら読み進んでいくうちに見えてくる彼の本質。 ……本当は泣き虫臆病で、優しい。育った環境と自分の性癖に、世間に対して望まずとも鎧を着込まなければならなかったのだと感じました。 鎧は外敵から身を守るけれど、同時に視界を悪くする。そんな竜嗣には見えなかったことがたくさんあった。 それを気づかせてくれたのは、竜嗣の本質を知っている頼もしく優しい面々……竜嗣の視界が少しずつ開け、鎧を脱いでいくさまに、どんどん竜嗣が人間くさく魅力的な人物だと感じていきます。 そして、何よりも愛おしい存在、晶太。彼の底なしの無垢な愛情と優しさには、何度も胸を締め付けられました。蔑まれて生きてきたため、諦め求めず手放していたものたちを、真っ当な出会いではなくとも、竜嗣と過ごすうちに少しずつ手繰り寄せていく。そんな姿に何度涙し、応援したことでしょう…… そして同居し始めてからの彼の想いには、更新の度に胸を締め付けられました。 それぞれが見失っていたこと、欠けていたことに気づき、魅力的な人たちの支えを感じながら、ひとりの人として成長、再生していく物語。 BLでありながら、優しさとは何か。人はどう生き生かされているのか。本当に大切なものは何か。そんなことも考えさせられるお話でした。 未来のすがたを予感させつつ、想像を掻き立てるエンディング。 個人的には、一途で健気で可能性を秘めた晶太の幸せを願ってやみません。 いつかその後の姿を見ることはできるのでしょうかw 淡い期待をしつつ…… とても素敵なお話ありがとうございました!
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なしもとゆか
2019/2/14 20:22
あーるさま こんばんは。 リアルタイムに最後まで読んでくださり、また身に余る素敵なレビューをありがとうございます! 本当に私の作品のレビューでいいのかしらと思いながら読ませていただきました(*^-^*) 私は人間の心が若干足りていないので心情描写が不得手なのですが、そこは読んでくださる方がそれぞれに感じ、受け止めて下さるだろうと信じて書いている部分が大きいんです。 そういう意味であーるさんには本当にお話に厚みをもたせ膨らませていただけたなと感謝しております。 私にとっては心底心強いプロの読み手さんです! これだけ気持ちのこもった長文を書いてくださるには貴重なお時間を沢山いただいたことと思
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あーる
2019/2/16 17:00
なしもとゆかさま レビューへのお返事ありがとうございます(´∇`) ほんと、つい熱くなってしまうたちで、作者様の想いとは違うところへ行ってしまうこともしばしば(;´∀`) 心情描写が不得手とおっしゃいますが、そんなこと全然ないと思います^^ もしそれが心情を文章に落とすことをおっしゃっていられるのならば、私は、直接文字になるより、情景描写やそれぞれの背景から、心情を感じられる文章が大好物なので、心情描写、ビシビシ伝わっています! そして、プロの読み手……だなんて、とんでもないです。ただの妄想過多な奴なだけですからぁ(;´∀`)アハハ そんな妄想過多なやつの熱い感想を優しく受け止めてくださり
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