ホラーと云うよりは、本当は怖いグリム童話のような教訓話のように読めました。 小さい奴が大きい奴に勝つこともあるという話は爽快感すらある。 ことりや鳥天さんは小鳥を飼っているから、小鳥を世話しながらさまざまな話を考えたり、 妄想を膨らませている日常を送っているに違いない。 そうなると、鳥を愛してやまない鳥天さんへの愛情の深さを察することが出来る。 常識的に考えれば、小鳥が猫に勝つことは困難である。いや、不可能と言い切って良い。 しかし小鳥を真剣に愛していることりや鳥天さんは、鳥達に無限の可能性を見出す。 それは小鳥を愛している鳥天さんだからこそ羽ばたかせることが出来る想像力の翼だ。 小鳥を飼っていると、籠の中で大事な鳥達が死んでいた場面を何度も見たのだろう。 そう考えると、ある日いつの間にか死んでしまっていた小鳥達への鎮魂歌なのかもしれない。
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