妄想コンテストで優秀作品に選ばれる常連の、高い実力を持つ花蓮/_crea_u?c=U2FsdGVkX18xXOTc5MDkyNl6jn8oqYCtkWwwUB3ZbI1c1さんの作品です。 この作品も三行から参加できる超・妄想コンテスト第92回「ぬくもり」にて、優秀作品に選ばれております。 受賞おめでとうございます。 ギリシャ神話にも「かまどの女神」としてヘスティアが居ます。 ところが、ヘスティアは有名なゼウスやポセイドン、アフロディーテなどと比べると、 エピソードが非常に少ないです。 かまどや囲炉裏の焔は、部屋を照らしたり、暖を取ったりするのには重要ですが、 それだけ縁の下の力持ちのような役割で、表舞台には出にくい存在だったからです。 現在だと、特撮ヒーロー物やゲームの炎属性は派手な存在として扱われますが、 このお話で出て来る「火の精霊」はどちらかと云うと神話の構造に近いものがあります。 この話は、神話では目立たない扱いの篝火の精霊を題材にしており、 自分の存在する意味や価値を考えていきます。 自分の炎が、カロルや雨に濡れた動物達を温めていくと云う性質から、 初めて自分の存在意義を確認するファロの青春小説としても読むことが出来ます。 自分の存在する意味や価値を見出せず、命を散らしていく方は非常に多い。 ファロは「火」だったから良いが、何も役割を与えられていない人々はどうなるのか。 そう思いながら感想を書いていて、このレビューが花蓮さんの「火」になって欲しいと、 ちょっと身勝手な願いも込めてみたくもなりました(笑)
1件・1件
丁寧なレビュー、誠にありがとうございました…あまりレビューを頂戴することがないので、驚きと共に感激しております! そしてまさかギリシャ神話の視点から掘り下げていただけるとは思わず、びっくりです! そこまで深く知識があるわけではないですが、ヘスティアの存在は知っておりまして、火は「決して華々しい面ばかり持っているわけではない」という裏テーマを持ちながら書いていました。 そうですね! まさにこれは、ファロの青春小説だと思います。 人間は時として、自分だけのためとなると頑張れないのに、誰かのためにならとてつもない力を出せることがありますよね。そんなことを考えながら、ファロとカロルに希望を寄せて書

/1ページ

1件