honolulu

この彼はとても大人。 この歳では珍しいくらい成熟してる。 恋愛こそまともにしてこなかったけれど、 しっかりと自分の出来ること出来ないことを把握してるし、知り合ったばかりの相手に苦手意識を持ちながらも逃げずに対応することもできる。 そして、 30過ぎのバツイチの五歳の子持ち女にあれだけ突っかかられながらもそれに向き合い、その都度面倒に思いながらも気になり応対しているのがかなり女としては惹かれる男。 ただ、彼には心の中にポッカリと穴がある。 作者は、この遊び人の男が今までどこか投げやりで自分の心の中を深く探らずに避けてきた生き方。 その他人は入れなかった心の中までズカズカと入り込んできた女に、時に毒舌で時に軽妙で時に干渉しすぎな会話を通して心を奪われていく姿をラブストーリーに仕立て上げている。 女の方はドメスティックな夫から離別しての後産んだ子どもを一人で育てているという、苦労した歳上の大人の女。 しかし、彼女の方も自分の傷に気づかないまま、子育しながら生きていくのに奮闘し足りないものをずっと探してる人として描かれてる。 そして作者はもう1人の一見軽そうな今時の若い女を登場させその彼女に知性を持たせ、予想に反したその立ち回りは、歳上の女の不安定さを炙り出してくる。 なおさら女臭く、彼女の大人ぶっていながら未熟なところがあらわになり更に話は味わいを増し面白くなる。 男は更に歳上の女の強さと脆さの揺れるギャップを知ってそれに溺れていく。 一軒の珈琲屋を通して描かれた日常は、 なんとも上手く二人の恋に絡められていく。 そして、 悔しいほど王道なラストの展開。 ルックスが良くて高身長で安定のサラリーマン。 それに歳下で若い女より私を選んでくれて、ツンケンしても怒らないで愛してくれる男がいるんじゃないかと…… これは女の壮大な夢。 それを正に叶えた彼女は冴えない日々から幸せを掴んだ、 まさに勝ち組。 もう若くない女、バツイチでも、子持ちでも、そんな女性が巡り合った恋愛サクセスストーリー。 読後の この羨ましくて己の胸を掻き毟る感じがとてもイイ!
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honoluluさん!拙作を読んで下さり、また御丁寧にレビューまでありがとうございます! とても嬉しいです! 常磐を大人と言っていただけたのは初めてだったので嬉しいです(^ ^)楽しんでいただけたなら幸いです。本当にありがとうございました!

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