紫野 楓

透き通っています。まるで雨に濡れた水晶玉の向こうから世界をのぞいてるみたいな気持ちで読みました。 この透明感が主要カプをさらに儚く切ないものにしている。時代を近代に寄せていてレトロ感がさらに寂寥感を煽る。尚更ノスタルジック、で、透明。 文体や描写などから世界観を作り描き出すのがものすごくお上手です。天才ですか!?! 1行目で引き込まれました。キャラの名前や容姿からどんなキャラにしたいのか、どんな展開にしたいのか、そしそれを受け手にどんなふうに捉えて欲しいのかという作者のこだわりや追求を存分に感じさせてくれる丁寧な小説で、それがしっかり機能して伝わってきます。キャラの見せ方とてつもない。それって、作品では見えてこないところまで世界とキャラをかなり深く彫り込んでるってことです。 作品に妥協したくないという意思がひしひしと伝わってきてまことに圧巻です。 網目が綺麗に整った繊細で触り心地のよい半透明のレースのような作品でした。冬の日差しにきらきらと淡く瞬くような。 何言ってんだこいつと思ったらぜひ読んでみてください!!!!!!!!!!!
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