紅屋 楓

 殺戮のさなか、物悲しくやるせない冒頭からグッと引き込まれます。  黒髪に青い瞳の美少年というところから、どこか東洋と西洋が入り交じったような美しさを想像しました。情景描写や少年の一挙一投足に至るまで、確かに文章を読んでいるはずなのですが、同時に、脳内に映像が流れ込んでくる感覚でした。早くも私が望む読書体験ができ、感動いたしました。  p.6の「世界が消し飛ぶ」や嫌な予感を「胸奥深い場所で蜷局を巻く」などという表現・語彙からも凄まじさが際立ちます。私個人としては文章にどこか引っ掛かりを覚えると物語から現実に引き戻されてしまうという厄介なところがあるのですが、そのようなこともなく。作品に集中することができました。  少年少女の掛け合いが格好いい。年の頃より大人びているものの背伸びをしているようには思えず、二人の強さも相俟って違和感はなく板についています。もちろんエマヌエルとヴァルカがヒューマノティックであることが前提にあるのでしょうけれど。  硬派なSF作品でありながら硬すぎず、「軟度」が絶妙です。特にエマヌエルは少年誌の主人公を彷彿とさせ親近感も湧きます。愛称の「エマ」も可愛らしい。 ファランが(誤解ですが)エマヌエルの自殺を引き止める際、彼にかけた言葉から作中の純粋な善を見た気がします。しかし知らぬが仏というか……と思っていたところでCode.1-Epilogue読了後の現在、彼女の今後が気になって仕方ありません!  また改造人間という、人類・生命体に対するタブーのような設定は恐ろしく(作品に対する褒め言葉です)、今も科学が発展し、AIだなんだという言葉を聞くことが多くなりましたが、人間とは身勝手だなと改めて思いました。いつか現実になるかもしれませんよね。
こんにちは。いつもサークル等ではお世話になっております。 この度は、本作にレビュー、感想下さり、有難うございます! >脳内に映像が~(略) 有難うございます! いつもどこかで口走っているのでご存知

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