Yusuke

発想の転換
カフカ好きには堪らない発想の転換でした。自分が毒虫になるのと、自分以外が皆毒虫になるのと、本質的には同じ孤独感や疎外感があるように思います。もしかしたら、自分以外が皆毒虫になってしまったと考える方が自然な発想かも知れません。特に現代の"多様性"の時代においては、SNSなどによって爆発的に世論が動くように感じることがあって、それは逆説的に一様な他者を生むことになります。その動きに取り残された人はまるで他人が皆毒虫に変わったように感じるでしょう。しかも、世の中の価値観や倫理観もまた、毒虫のものになっていて、作品の中では神さえも毒虫の姿をしています。その絶望と孤独感を絶妙なバランスで描いた作品だと思いました。

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