あーる

ハマると抜け出せない圧倒的世界観【ネタバレ含みます】
一部完結とのこと。この区切りで一度感想を入れることにします(笑) なんとなく軽いノリのタイトルと誘うような表紙イラスト。 けれど、そこからページを開けば闇深い世界にズブズブに引きずり込まれる…… 軽い気持ちで読み始めたら最後。狂暴なエロさとグロさ。理不尽な行為の数々と甘美な狂気にあっという間にのみ込まれてしまいます。 真っ黒なアンダーグラウンドに住まう、無色透明この世に存在しているのかと誰もが感じる人物【レック】。 彼は男同士のアブノーマルな行為を撮影、動画配信し稼ぐことを生業としている。人の不幸の傷をさらに抉ることも平然と淡々と為され、人権や尊厳など無いに等しい世界。 そこに行き着く人々(出演者)は、それぞれ様々な事情、言い訳、願望を抱えやってくる。 そのひとりひとりのエピソードの下に流れる一筋のストーリー。 その絡ませ方が絶妙としかいいようがない。 章タイトルも然り。出演者の名前さえ、そのエピソードを静かに物語る。 個人的には【鈴木】【故】この命名の絶妙さに、感嘆のため息がでてしまった。彼らのエピソードに絡みつき見える歪で、ある意味一途な「愛」… また、主人公である【レック】。レックに纏わり付く【神田】。このふたりの関係を表す『名』も意味深く心抉られる。 『いい人なんていない、愛なんてない』 この言葉に踊らされることに快感を得てしまうほど、どこをとっても隙がないストーリー展開。 本当はひとつひとつのエピソードについてもっと多くを語りたくて仕方ないけれど、それは野暮なこと(笑) ハード描写も多く、もしかしたら読み手を選ぶかもしれない。でも、その描写の中にこの物語に畝ねる濃く深い筋を感じられるはず。 ぜひページを開き読み、この圧倒的な世界観を自分自身で体感してもらいたい。 奏さんの使う言葉には独特の雰囲気があり、また、漢字、ひらがな、カタカナ、行間、──、句読点の位置……全ての表現に意味がある。そんなことを感じながら読むとさらにぐっと物語か濃く色づく。油断しちゃいけない。いつもそう思いながら読み追っています(笑) 小休憩ののちのリスタート。もう期待しかありません! 心してお待ちしています!! (また熱くなりました。いつもすみません(;´∀`)ww)
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