桜衣いちか

秀麗な幻想譚とは、この作品のようなものを指すのではないのでしょうか
短編版から拝読させて頂いており、連載版も楽しく拝読させて頂いております。 冒頭の一頁の描写だけで、作品全体に流れる、澄んだ幻想的な雰囲気が醸し出され。 美しいものを見た時に、自然と、ほうと出てくるような、溜息すら零れます。 ヒロインのヒオリは、自らの行く末を淡々と語るも。 何処か危なげな儚さを含みつつ、時としてうぶな子供のような振る舞いをもし、魅力が尽きません。 対する八雲もまた、そんなヒオリの行動に時折振り回されつつも、胸中ではヒオリとの事を固く誓い。 不意にこちらの胸をときめかせてくれる、これまた魅力的な人物が描かれています。 見えざる者が一人。 見えざる者を、見る事が出来る者が一人。 周りからすれば、どちらも『異質』かもしれない。 けれども、『異質』同士ならば、それは『異質』ではなく、至極『普通』の、男と女かもしれません。 今後の二人の関係、そして行く先に、期待が溢れんばかりです。 兎角描写が秀麗で、幻想的な素敵なお話です。 続きを楽しみにしております。
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