きざしよしと

※このコメントにはネタバレが含まれます。
拝読いたしました。 よくある噂話の提示を切り口にした今作は、ネットの掲示板の書き込みを彷彿とさせる語り口調といい、チャラい大学生が面白半分でオカルトスポットに赴き痛い目に遭うという大筋といい、王道ホラーだと胸を張って言える内容をしていますね。コメント欄に偽りなし!という感じです。 私は好きです。 悪く言えば“目新しさがない”、という事になってしまうかもしれませんが、王道というだけあって起承転結がしっかりとした構成となっており、とても気持ちよく読み進める事ができました。 特に上手だなと思ったのは、Aが語る昔話と主人公視点の風景描写を交互に挟んだ事により、丁寧な視覚の情報に、Aの声で語られる音の情報が合わさって、相乗効果で場面に厚みが生まれています。 そしてラストの推理を拡げる主人公に、ホラーの元凶が訪れるというラスト。 ホラーのオチとしてはこれも王道ですが、ひゃくまであと何人なのか読者に明かさずにおくことで、村の外へ出る事のできた“ひとくい”が、読者の後ろにも立っているかも……?という不気味な想像を掻き立てるので、とてもホラーらしい良いラストだと思いました。 王道の中にある風景描写中の細やかなオリジナリティと、よく練られた構成が短い中に綺麗にまとめられた作品だと思いました。 ありがとうございました。
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きざしよしと様こんにちは。レビューをくださり誠にありがとうございます! ネット掲示板を彷彿させる語り口調というのはまさしくその通りで、私自身オカルト掲示板のまとめを見ていたらおもいついたというのがこの話でした。人物名がアルファベット表記であるのも、ネットに書き込まれた話ゆえ名前が伏せられたから、ということです。 (ゆえに、最後の主人公のシーンで、ひとりだけ本名が明かされている、と)。 同時に、この話が皆に知られるのはこういう経緯があったから、という説明にもなっています。 そして風景描写というものが大の苦手であるので、場面に厚みがあると仰ってくださって本当に嬉しかったです。 王道で、非常にあ
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