至北 巧

壮大なお話ですが、難なく心に響きます。
36ページまで読んでの感想です。 国一つが大きく変化する壮大な予感を、実際の国の様子をそれほど表現することなく、限られた城内での登場人物の振る舞いや感情の動きだけでひしひしと感じました。 物語のつづり方が素晴らしいです。 袁吏さんが透央さんの側近になった直後、駿河さんと透央さんの痛々しいやりとりに大変引き込まれました。 その後、袁吏さんの透央さんに対面する際の心の持ちようや、袁吏さんが心の声は案外俗っぽいのに振る舞いが非常に精錬されているところに魅せられました。 袁吏さんと殻以さんの再開の会話まで読ませていただきましたが、そこもまた二人の駆け引きが秀逸で、特に殻以さんの人物像にかなり惹かれました。 休む間もなく引き込まれるお話です。 国が動くお話はとても難しくていつもなら読んでいて疲れるのですが、難しい話が苦手な私でも気負わず読むことができます。 私のあらゆるツボにはまりました。 素敵なお話、読ませていただきまして感謝です。
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読み止まらなくて困りました! 最新頁の61ページまで読ませていただきました。 袁吏さん、心の声だけではなく遠かった主にまでもくだけた口調になっちゃって、甘々なお話まで読めて得した気分です。 後半は口づけまでいかないだとか、すぐに駿河さんからまた意地悪をされたりだとかしてずっと切ないのですが、それだけ相手を想っているのだということにひたすらグッときます。 文章一つ一つに心打たれました。 濃厚なシーンは憂いと激情をとてもうまくからませて表現されていて、ただ過激なだけではない重要なシーンでとにかくいいです。 長々とすみません、大変面白く読ませていただきました。
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