きざしよしと

※このコメントにはネタバレ要素が含まれます。
拝読いたしました。 小説というよりは詩的な雰囲気のする文章ですね。主人公の視点での心内描写と台詞のみというシンプルな構成と、文末に句点がない事からそのような印象を感じました。 お話の流れとしては、恋人の手を借りながら生活している盲目の青年が、その恋人の好きだったイチョウの葉の色をもう一度見たいと願っている。けれどその恋人はすでに亡くなっており、主人公が盲目になったのはその精神的ショックによるものだったという内容が主軸になっています。 驚かされたのは、恋人の美和がすでに亡くなっていた事です。2ページ目までの美和が普通にそこにいるかのように描写されていたので、まさか亡くなっていたとは思いませんでした。そして2ページ目までの主人公の日常生活はすべて妄想……?? とうすら寒く思ったりもしたのですが、主人公が心配で幽霊になっても傍にいたということですかね? 私の本当に個人的な先入観だと、幽霊が料理をしたりするのはかなりシュールに思うのですが。 描写の面では、視界の閉ざされた現実世界、夢でもモノクロの情景、見たいと願う恋人の色……と色の描写に力を入れているなと感じました。この色の描写が主人公の心内描写につながるものがあるのが良いなと思いました。 シンプルな構成によりさらりと読ませていただきました。 イベント参加ありがとうございました。
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丁寧なご感想ありがとうございます。 この小説で最も重点を置いた点が『色』だったので、上手く伝わったようで良かったです。

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