まあお

辛口レビューとのことなので……
あなたのその向上心をかって、心を鬼にして辛口のレビューをしますね。 まず、文章にはいいところと、よくないところが両方あります。 いいところは、とても個性的でほかにない魅力をおもちなところ。今、ですます調でこの内容(多少の残酷描写あり)を書いているひとを知らないので、この持ち味は評価したい。このまま続けるべきでしょう。私は、いいと思った。 でもよくないところもあります。文章はどこも間違っていないのに、描写力が足りないと思う。たとえば一章をもう一度読み返してください。 ・世界観を説明できたか ・主人公やメインキャラの外見の描写・魅力を伝えたか 一章は大事です。ここで、この表紙の女の子の外見的なかわいさを表現したら、みんな「かわいいー」って思って続き読みますよ。世界観も、中世? なのかなんならヨーロッパ的でない世界をイメージされてしまう可能性ありますよ。かといっていきなり「ここはなんとか王国で、建造物がなんとかで、女の子は何歳くらいで美人で」とかはじまってもよくないけれど、これだけ精密に文章が書けるのでしたら、世界観や人物を描くことができると思う。三人称小説ではこの描写がキモなんじゃないでしょうか。 ストーリーや話運びは問題ないのではないかな。でも、辛口で言うと(つまりプロとして見ると)すごくいい! とは言ってあげられない。ふつう、です。でもこの先のこともあるので、悪いわけではないので、そこは誤解しないでくださいね。 気になったのは、とても細かく言えば、22ページ「のんべんぐらり」でしょうね。「のんべんだらり」と書く方が圧倒的に多いとおもいます。ぐらり、という用法があるのは知っています。でも初見で違和感がある。プロになるなら、そういうまったくひっかからせる必要がない箇所で「ん?」と思わせない方がいい。でもこればっかりは、そのひとの使ってきた言葉の問題、地域性・年齢にもよるので、作家がというよりは編集さんがやる仕事かもしれませんが。 このあと主人公たちが活躍していけば、もっと面白くなるだろうな、と思わせる作品でした。 今のところ、一番光っているのは、丁寧で個性的な文章です。ぜひこの持ち味をこわさずに磨いていっていただきたいと思います。かわいらしい絵がついているのも大変に魅力的。作品愛は充分です。がんばってくださいね(まあお)。
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