魔法使いが王子様になりたかったという視点と原典「シンデレラ」との比較
つぶやきでよくお目にかかるマスカレードさんが受賞されたと云うことで、 作品の方も全文読み、ページにも幾つか感想を書きました。 原作の問題点:どうして魔法使いは、シンデレラを助けたのか? ディズニーアニメ版を見ても全く理由が明かされていません。 だが「魔法使い」だと分からないが「天使」だったとすれば説明出来る。 天使がどうしてシンデレラを助けなければいけないのか? それが仕事だからです(オセロの白の方はまさにこれに該当)。 しかし、ここに悪魔が入ってくると話が違ってきます。 「シンデレラ」で一番得をしているのは実は王子様なんじゃないか? 例えば「轟轟戦隊ボウケンジャー(東映)」のTask26『ガラスの靴』では、 女性に夢を見させる王子様が悪役にされていました。 そう考えると、オセロの黒がシンデレラを助けるのは単なる善意ではない。 実際に、オセロの黒は明確にシンデレラに恋をしていました。 年齢も10代でみずみずしくて若い。 だからこそ、純愛になったし、マスカレードさんも爽やかに描いているし、 話もハッピーエンドで綺麗にまとまっていた。 僕なら、原典「シンデレラ」に出る12時で魔法が解ける話やガラスの靴なども入れたくなる。 原典のシンデレラは継母や姉妹に復讐する話だから、 現代日本の倫理的に観点では受け入れるのが難しい部分もあるので、 原典の要素を全て活かせとは言わない。 インターネット社会になり、互いの顔も知っている関係である以上、 原典のような“ガラスの靴”のサイズを巡る継母や姉妹との競争は出来ない。 この小説では原作の“ガラスの靴”になる要素や競争は、 ウィンウィング公国への海外旅行を巡る家族間の争いで代用されている。 ただ、ガラスの靴そのモノは出なかったので、 浅学な読者から「シンデレラなのにガラスの靴が無い!」などと、 的外れな批判をされそうで心配である。 シンデレラの魔法が12時で解けてしまったら、どうなっただろう。 「世の中、そんな上手い話は無いんだぜ!?」と言って黒の王子が掌を返したら、 本当の悪魔だとは思うが、読者の満足度は著しく下がってしまうだろう。 「シンデレラ」をモチーフに使っても、全ての要素を導入する義務は無い。 爽やかなハッピーエンドにして良かったと思います。
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黒羽 翔さま 素晴らしいレビューをありがとうございます。 なるほど、黒羽さんは、シンデレラの靴が気になったのですね。 私は、シンデレラのガラスの靴を出しては、いかにも原作の力を借りたどこにでもある、なぞるだけのストーリーになると思ってやめました、 その代わり、ガラスの靴ではなく、クリスタルの魔法の小びんを用意してあります。 原作では、12時というタイムリミットがせまり、12時の鐘で全てが終わってしまったシンデレラ。 こちらのストーリーでは、鐘ではなく、悪魔の蒼夜の命の時間のタイムリミットが仕掛けてあります。 つまり、シンデレラを彷彿とさせながら、それにとらわれない別のストーリーとして
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