紅屋楓

秀逸、ひとこと紹介文に全てが集約されている。
現代の大きな社会問題の一つ、いじめ。 ニュースなどで幾度となく取り上げられる度に、人々は「事件」に怒り、愕然とし、悲しんできた。 誰か頼れる人が一人でもいたら………シビアな現実にそう思わずにはいられない。 この作品では、そんな願いを少しだけ叶えてくれる。 しかし、思わぬ悲しみの連鎖が起こってしまい……フィクションでありながらも現実的で、辛くなる。このようなことが実際に起きてしまう可能性は捨てきれない。 辛く悲しく、苦しんで罪悪に苛まれながらも主人公が高校生に成長してくれたことが嬉しい。また友人のことを考えると堪らなく切なくなった。 物語の中だが、友人と同様に勇気ある主人公には、周囲の人々に大切に思われながら生きていってほしい。 彼にとっては、カレーを食べることが何よりの弔いになるのかもしれない。
3件・1件
丁寧なご感想をありがとうございます。 真摯に作品に向き合ってくださったことが感じられて、とても光栄です。 また、登場人物それぞれに想いをはせてくださって嬉しいです。私も彼には辛い現実であっても、色んな人に支えられながら生きていってほしいという想いを込めて書きました。その想いがいただいたレビューの言葉で確かに伝わっていたのだと思えました。本当にありがとうございました。

/1ページ

1件