痛みを知るから、優しくなれた
家族、友人、環境――全てに絶望し、命を投げ出した少年、式。 だが、気が付くと、彼は魔女の作ったホムンクルスとして生まれ変わっていた。魔女の教えと導きに、徐々に彼の心は解されていく。 だが、どこの世界も、現実は非情である。 残酷で情け容赦のない現実に、二人は手を取り合って立ち向かう。 繊細な心情表現で書き起こされる、心の痛み。 孤独、害意、理不尽――突き刺さる痛みが生々しく、そしてそれに傷ついた心を包み込む温かさが、とても優しい。 二人の行く道に、幸はあるのだろうか? 切なく優しい二人を、応援したくなる小説だ。

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