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裏ノ鏡編
青木ぬかり
2019/6/30 17:00
強き者の葛藤……それは共感に値するもの、ですよね。
本編は、おそらくシリーズ中では〝前半の終盤〟に位置する物語なのだろうと思います。 本編によらず本作で描かれる〝強き者たち〟は俗にいうチートの概念を含みますが、一般的なチートものと一線を画すのは、その能力をもって万事解決とはならない点です。 本編にて主役たる澄男が相対した〝裏鏡〟もまた、冷酷な中にも大きなドラマがあることを偲ばせる存在です。 ファンタジーならではの〝強大な力〟を持つ者同士の人間くさい「感情」と「理性」のぶつかり合い……。 それがみごとなコントラストで描かれています。 そして、さらなる大きな物語を確信させる本編の締めくくり……。 今後の展開を予測したところで、いい意味で予想を裏切られるのでしょう。 予想の範囲にない展開……。 それを期待させてくれるシリーズです。
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青木ぬかり