さかしま

音楽の形式で書かれた作品がある。  レーモン・クノー『文体練習』、オルダス・ハクスリー『恋愛対位法』などはフーガである。 奇をてらっているのではなく、音楽が好きなら、そのように書く理由は十分であるように思う。 僕は最近、ミニマルミュージックを愛聴してる。 白状すれば、どうすればミニマルミュージックのように書けるか、考えているうちにわからなくなって、自家中毒を起こしているところなのだ。書きながら、頭を整理したいという次第。 ミステリに、「小さな事件」というジャンルがある。バラバラ殺人のような、ショッキングな事件などよりも、日常の些細な謎にせまっていく。アニメの『氷菓』とか好きだ。 これはミニマルミュージックだと言える...日常を書けばいい。といったところで、一見解決しているみたいだが、まだ僕の頭にもやもやしているものがある。 田中小実昌の『ポロポロ』という小説で、ということはつまり「日常の語り口について」が問題だとわかった。

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