生津直

高い文章力。魅力的な二人。心地よい世界観。また読み返したくなる作品です。
以下、作者様宛てに書きますので、ネタバレに相当するかもしれません。 一話目から文章の質の高さが光り、物語に引き込む力も群を抜いていると感じました。言葉の端々に良い意味で作為を感じます。といっても、奇をてらっているという印象はなく、むしろ文体や語彙は敢えてシンプルに徹していながら、読者の心をつかむ何かがある、という感じがします。 メインの二人が個性的で、それでいて二人とも十分実在しそうなのも絶妙。不治の病はありがちなだけにリスキーな要素とも言えますが、決して陳腐に見せず、食傷感を抱かせないのがすごい。これは私も是非手に入れたい技です。病を抱えた若者の相手役に戦場カメラマンを持ってくるという設定も巧い。この組み合わせだからこその二人の関係がそこかしこに生きていて、だからこそ伝わってくるものがあります。 視点人物が変わったことを最初ちょっと残念に感じてしまったのですが、読み進めてみると、視点を変えて語るだけの価値が十分すぎるほどにある内容になっていて納得しました。  盛り上げようとして変に派手な事件を起こしたりしない勇気が素晴らしい。それでいてなぜか目が離せないところに本物の小説力を感じます。何を見せたいのかに関して確固たる拘りがあり、しかも独りよがりに陥っていない証拠だと思います。 二人の互いに対する関心の持ち方が、一見ドライなようでどこかウェットで、独特でいいですね。いかにも恋が芽生えそうな場面が次々と訪れてドキドキします。お決まり的なBL展開にならずにどこまで行けるのか、と純粋な好奇心を抱きつつ、途中何度かR15タグがないことを確認してしまった不純な私ですが(汗)、読めば読むほどこの作品ならではの世界、色、みたいなものに引き込まれています。安易なサービスに走らない芯の強さがある作品ですし、それでいて良い意味でとてつもなく官能的なものを感じます。文字だけを並べてこんな芸当ができるものなのだなぁと、つくづく感嘆しております。 第7話の途中まで読んで上記を書いたのですが、その後読了しました。最終的な展開自体は、私が個人的に望まなかった方向に向かいましたが(第19話辺りで終わりの方が私好みには近いかもしれません)、文章表現が巧いからそれでも十分楽しめてしまう。この二人が好きだなあという実感を残してくれるエンディング、素敵でした☆ また読み返したい作品です!
コメント頂きありがとうございます! かなり読み込んで下さっているようで、とても嬉しいです。 仁科もセナも、二人の持っている自分の作品世界がそのまま自分の人生になっているような人間です。最初は頭の中で

/1ページ

1件