犯罪ギリギリの悪戯心理を、淡々と・・・
(↓以下、ネタバレが少し入ります) ~小説のネタを求めている作家・佐久田は、読者・柳田渉から人生のエピソードを書いてほしいと頼まれ、会うことにする。 そこで、佐久田が聞いた、渉の過去とは・・・。 渉の歪んだ人格を作り上げるきっかけとなった実姉との性体験、犯罪一歩手前の同級生女子への悪戯、そして、女子の心を巧みに掴み、恋愛ゲームをしかけた報酬は・・・。 そして、それを取材した佐久田と渉との関係は・・・。 まるで別人格を説明するかのように、冷静に渉の心情を淡々と綴るまさひろ氏は、優れた才能を持つ鬼才作家なのか、それとも・・・~ この小説を読んだ時、思わず「わお!ヤバいよ、これ」とつぶやいてしまいました(^^ゞ いえ、内容もさることながら、主人公・渉が、何も疑いもせずに、楽しんで実行していくさまが、まずヤバいんですが、それを、淡々と書き続けているのこともヤバい・・・。 でも、人の心の奥底に眠っている犯罪心理や、それに対する憧れに似た感情を、誤魔化すことなくきちんと書いている作品は、そうないと思います。 この作品は、触れてはいけないデンジャラスゾーンのものなのか、深層心理をえぐった秀作なのか・・・。 どちらにしろ、目が離せない作品です!
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