みぐ

軽い青春作品と思わせて・・でも本当の姿は・・?
実家が『お寺さん』の主人公 美樹は、慕っていた兄の死に手を差し伸べてくれなかった御仏(みほとけ)にも、未だ御仏を信じ続ける父にも失望している女子高生。でも超・イケメンの『お坊さん』で仏像彫刻に取り組む『快道君』との出会いが彼女のターニングポイントとなります。 そして嫌っていた父の死を通じて、彼女が得た『悟り』とは・・ この作品の冒頭は非常に軽い乗りで展開していきます。イケメンに惚れる主人公、高校での女子達のリアクション。そして『南西天転念派(なにしてんねんは)』や『八天羅連和寺(やってられんわじ)』、『万才宗(まんざいしゅう)』という軽い名付け。 でも、それは兄の死と言う心の傷に蓋をした主人公の仮の姿を表現していたのです。現実から目を背けた主人公の“仮の姿”のままストーリーは展開して行きます。それが、彼女の父の死を受けて、結果として『快道君』に心の蓋を開けて貰う事になります。そして感動的なラストに向かっていきます。 作者の潜水艦7号さんは、本当に多彩な才能の持ち主です。様々な領域で深い知識を持っていて、多くのジャンルで魅力的な作品を描かれています。 この作品も仏教に関する深い知識を背景に、魅力的な青春ストーリーが展開して行きます。そして読者は、一つ一つのページで、爆笑し、頷き、そして最後は大きな感動に包まれていきます。本当に作者の才能には唸らされます。 もっと自分も勉強しなければと、改めて感じました。 素晴らしい作品、ありがとうございます。 次の作品も心待ちしております!
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