雪翅

太陽と月に照らされて、時に翳りつつ、時に眩しく、成長していく星達の物語。
応援ソングとして流れている、Foorinの“パプリカ”。 この作品を読んでいる時、私の頭の中では自然といつもその曲が流れてきました。 始まりは、小学校という狭い世界の中で生まれてしまった悪意。 主人公の陽子はそれを許さない、正義感の強い女の子。心ごと美しく、周りを惹きつける力がある彼女の存在が中心となって、物語が進んでいく。 誰かの“一番”になりたい。 好きな人だったり、家族だったり、友達だったり……きっと誰もが誰かしらにそういう想いを抱くと思う。 その心理が理解できてしまうからこそ、物語の根幹になる部分に触れるのが苦しかった。そこから派生する悪意に身に覚えがあることが、とても辛かった。 だけど、物語は決して優しい場面だけではないのに、それでも優しさを感じられたのは、きっと作者様の人柄が滲み出ているから。 後悔も、過ちも、そこにちゃんと向き合うことができた子達にとっては、決して無駄なことではなかった。 悲しい想いも流れていたけれど、人と接していくことを諦めなければ、出逢うことを恐れなければ、必ず救われる。 最後の方は色んなことを感じ取れて、涙がボロボロでした。 繊細だけれど強く優しさに溢れた物語を書いてくれて、ありがとうございます。 物語を追いかけられたこと、とても嬉しかったです。本当に、ありがとうございました。
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