書き出しの部分だけですでにカタルシスを感じるほど、見事な構成でした。
日野の傲慢な部分と、優しい部分が、作品内で何度も入れ替わって提示されます。もしかしたら、最初は読者も戸惑うかもしれません。でも、火事の中、謙也を助ける場面に至って、ようやくすべてがつながる。今まで混沌としていた主人公の姿が、勇敢で温かい心をもったヒーローの実像になります。書き出しの部分だけですでにカタルシスを感じるほど、見事な構成でした。

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