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水を守る(水シリーズ①)~ 少女は執拗な虐待から逃れることができるのか?(TOブックス優秀作品)
和來 花果(かずき かのか)
2019/9/12 18:24
けなげさに涙が溢れます…
同じ年の少女がふたり。少年がひとり。自由な心を持つ女性がひとり。 そして彼らを取り巻く大人達。 登場人物がそれぞれに、精一杯の悩みと苦しみを抱えています。 特にひとりの少女、悠子にいたっては、その人生は手に余るように私には思えます。けれど悠子は誰を恨むでもなく、ただひたすら耐え自分の苦しみをひた隠して暮らしているのです。 生まれも育ちも人は選べません。選んでいないのに、大人達の気持ちと考えは子供に絶対の影響を与えずにはおかないのです。 運命も植え付けられた価値観も水の流れのように、子供を押し流していくのです。 何も知らない子供から、ほんの少しわかる少年に歩き出す陽一は、大人だけど子供のようなまっすぐさと自由な心を持つ叔母さんに惹かれています。 叔母さんに導かれるように、自分の目と耳で知り、自分の出来ることを重ねていきます。 それは一見スコップで土を掘って、川の流れを変えようとするような、そんな小さな努力に過ぎないように思えます。 けれど何度も繰り返すことで、一緒にスコップをふるってくれる人が増え、やがて新しい川の流れを作っていくのです。 一生懸命で、けれど誰も傷つかないように、子供達ががんばる姿はけなげで涙が溢れます。 そして清らかな人生の流れの中に立った悠子が大人を許し、許しを与えたことさえ気が付かずに感謝を胸にいだく場面では、彼女の清らかな心に胸を打たれます。 大人達が自分の過去を受け入れ、新しい流れに足を踏み出していく事が出来たのは、間違いなく子供達のおかげなのだと思います。 自由な心をもつ叔母さんでさえ、心のままに運命を選ぶ事が出来たのは、やはり陽一のおかげなのですから……。 雲間から光が差し込んで来るようなラストに、心があたたまりました。
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小原ききょう
2019/9/12 20:41
秋月さま、 「水を守る」に素敵なレビューをありがとうございます。 レビューにレビューしたいくらいの名文ですね。感動しました。 先述のとおり、僕はあらすじを書いたり、感想文を書くのは苦手なのです。 ですから、秋月さんのような文章を読むと、素敵だな、と思うのと同時に、羨ましくもなります。 以下、引用・・ 「それは一見スコップで土を掘って、川の流れを変えようとするような、そんな小さな努力に過ぎないように思えます。 けれど何度も繰り返すことで、一緒にスコップをふるってくれる人が増え、やがて新しい川の流れを作っていくのです」 ・・・うまい表現です。 まさにこの小説の主題です。自分の小説のレビューに感
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和來 花果(かずき かのか)
2019/9/13 12:38
小原さん 丁寧で最大級の返信、ありがとうございます( *´艸`) 小原さんがレビューが苦手だなんて、そんなことはないと思います。素敵なレビューをいただいていますから(*^^*) でもそれだけ労力を使う、という意味かな、と思いました。 私はレビューを書く方だと思うのですが、私もやはり労力は必要なので、喜んでいただけると嬉しいのです(*^-^*) 「水を守る」の子供が一個の人間としての視点を持って書かれている、というのは読んでいてもとても感じました。 私は、たとえ幼児であっても、その子のせいいっぱいであり、まんぱんの気持ちや考えに満ちていると思うのです。 もしかしたら、大人よりも汚濁を知
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