甚平

ファムファタルの手紙
イベントから拝見いたしました。 一通の手紙が引き起こす、定年を迎えた夫婦の間の亀裂を描いたお話であり、 一種のファムファタルとして紗英子の存在に味があって良かったと感じます。 動きとしては手紙を読んだだけですが、主人公が過去を思い出し、焦りを 覚え、挙動不審になるさまに面白みがあり、良かったと思います。 紗英子の存在も話に艶を出しており、良かったです。妻が決めつけで嫉妬する ところなども人間味があり、好きでした。 展開としてもわかりやすく整っていて、短編として良かったと感じました。 以下は、ごく個人的な感想となります。 おおむね無視してよい内容です。改稿予定がありましたら多少の参考までに。 話として、私は主人公が精神面での浮気を認めているから、妻の勘違いに対して はっきりとできず、また精神上の浮気が成立したためオチに繋がると読みました。 そうした場合、設定年齢に対して全体的に感性が若く感じました。 行為がないということ、昔の話ということ、老年であることを踏まえて、 それでも狼狽えるほど手紙に衝撃があるかというと、少し疑問が残りました。 行為がない場合、私としてはコミカルさが拭えないので夫婦の言い合いに 焦りだけでなくばかばかしさが含まれて良いように感じました。 行為がある場合、それに至るエピソード、紗英子の目的、惚れた理由を はっきりさせると艶が増して良いように感じました。 また、1Pで不穏さが出ているので2Pの初めで仲の良い夫婦を軽く描くなど 後の危機を強調しても面白そうに感じました。 基本的には現在の形でまとまっており、変に付け足すと壊れるだけかとも 思うので、全体的に改稿する時があったらの意見としてご参考までに。 イベントご参加ありがとうございました。それでは失礼いたします。
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甚平さま レビューありがとうございます! ファムファタルってなんだろう?と思ってググってしまいました。さすが言葉を知っていらっしゃいますね。 要改稿というわけでも無さそうなので、ひとまず嬉しく思います。 それぞれのキャラクターもきちんと伝わっていたようで、良かったです。 一応疑問にお答えすると、お察しのとおり主人公は紗英子に対し精神的な浮気が成立しています。 紗英子とのことが彼の人生で唯一の浮気であり、心躍る記憶として何度も反芻してきたので、20年経ってもそう古い記憶ではないわけです。 (とはいえ、甚平さんの感想を読んで、10年前にしておいたほうが良かったかな?と思いました) しかし、
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『嫉妬の本質はもともと妄想なのである。影を作ってその影におびえるのが やきもちなので、まわりから見ればそれはまことに滑稽な図柄となる。』と 神津友好という放送作家が昔、書いておりました。 この人は落語に造詣が深く先の言葉も落語の悋気の話について語っております。 『夢の酒(夢の悋気)』や『悋気の火の玉』などは日本的な男女の機微が面白い ので、興味がおありでしたらYoutubeなどで見られても良いかと思います。 余計な追記、失礼いたしました。
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