那由多

捉えどころのない感じが
前編の子供の目から見た、自分のいるべきでない世界の描写が、とても怖かったです。何が起こっているかつかみ切れないけれど、言いようのない怖さに晒されている感じ。読んでいるこちらにも伝わってくる不安が逆に目を先へと進ませてくれるような。 この子どうなるの? 大丈夫だよね、みたいな。 何となくこの時点で兄の正体を感じつつ、後編でああやっぱりとなり悲しい別れが訪れる。主人公が記憶をたどってみても、何一つ定かな物は無いという何とも切ない感じがしっくりとくる終わり方だなと思いました。 出てくるアイテムにも統一感が無く、それがまた作品全体の不確かさを強調していて、全編を通して不安を掻き立てる感じがまとめ上げているなと感じました。 とても面白かったです。
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感想ありがとうございます。 不安とか不確かさは狙っていたので、伝わってよかったです。 統一感の無さみたいなのはそんなに狙ってなかったんですが、指摘を受けてそういうやり方もあるのかなと発見になりました。

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