なぎの みや

見送るという形の愛情表現
長い長い時間をかけて成熟していく愛。 少しの関係から急激に発展していく愛。 人から人へと向けられる「好き」という感情は、1つの正解の元に真っ直ぐに進むものではないのですね。 賢人がここまで茉奈に惹かれた理由は分かりませんが、彼の心苦しいまでの一途さに何度も胸が締め付けられました。強く、優しく、懐が深く。 1度は、いえ、元々自分の元に居合わせなかった茉奈の心。それをいつ如何なる時も慈しみ、包んでくれた。こんな男性に見初められるなんて、本当に茉奈が羨ましいと思いました。 一方千尋。彼も、公私による立場の違いで随分苦しんだのでしょう。きっと茉奈が知らない場面で何度も頭を下げ、自分の力で状況を変えられないか日々奮闘したのが目に浮かびます。しかしその間にも……。 千切れた手紙の続きは、偽りの言葉なのでしょうか。それとも今の千尋からの、素直な気持ちだったのか―― 幸せになって欲しい。茉奈も、賢人も、それから千尋も。心からそう思いました。 素敵なお話を読ませて頂いて、本当にありがとうございました。
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