小原ききょう

横顔の君
学校の帰り、君を見かけた。 沖へ長く伸びた堤防の先に、君は腰かけていた。 僕は、君に片思いをしている。 けれど、君とは一言も会話をしたことがない。 そんな儚い恋だ。 教室で声をかけられない僕は、 海に向かって佇む君を見つけた。 あんな所で、君は何をしているんだろう? 物思いにふけっているのだろうか? 何か悩み事でもあるのだろうか? そんな疑問が次から次へと沸く。 これは、 君に近づく絶好のチャンスだ。 いつも横顔しか見ることのできない君。 そんな君の姿は教室と同じだった。 君は足を揺らしながら、俯いている。 君の顔を見るには、僕は海に立つか、 君に声をかけるしか方法がない。 けれど、海の上に立つことなんてできないし、 訳もなくなく話しかけることなんてできない。 そんな決断をする勇気もない僕は、 君に話しかけることなく、通り過ぎていった。 こんな機会・・ 僕は、君と話す絶好のチャンスを不意にした。 そんな何もできなかった僕を、 一生後悔することになるとは夢にも思わずに・・
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毎回のように文章をつけていただいてありがとうございます。今回の文章を拝見して、少し驚きました。 このイラストを描いた時、私は珍しく、言うなれば小原さんのように、頭に一つの物語を思い浮かべていました。 それは、ちょうどこんな話でした! 堤防に座って潮風に吹かれる少女。なにか感慨深いものを感じさせるその姿を、彼女のことを気にかける人の目線で描いています。 小原さんも同じように感じてくれていて、嬉しいです。一枚の絵によってこの回想がシンクロしたような気になりました。 ありがとうございました。
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津山さん、こんばんは。 スターとコメント、ありがとうございます‼ 書くのはしんどいですが頑張ってます。 津山さんのイラストの更新、いつも楽しみにしてみています。 一年前とは全然違いますね。いい意味で。 では、今年もよろしくお願いいたします。
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