須羽ヴィオラ

春時代の淡くて切ない恋心を追体験したい方は、是非お読みください。
以下、ネタバレを含みます。本編を未読の方は、お戻り下さい。 高梨澪は入試当日の体調不良で志望校に入れず、仕方なしに聖ヶ丘高校に進んだ。 二年生になり、そんな「パッとしない」高校生活にも何となく馴染んでしまった澪。 同じクラスの天利理央は、澪の友人・中務章子が恋する相手。 はしばみ色の瞳を持つ甘いマスクの男子。性格は明朗で快活、正義感が強くて成績も 良い。学校中のアイドルだ。 だが、恋に奥手の澪にとって、理央は空気のような存在。 それが、ある事を切っ掛けに最低最悪の存在に変わる。 理央は、章子の度重なる告白に煙に巻くような返事を返し、他の女子との浮名も聞こ えてくる。不誠実に見える理央の言動に怒った澪が、 「ちょっとモテるからって、調子に乗るな」と理央に文句をいうと、 理央は本性を現したようにブラックな一面を見せる。 やがて、澪は章子と絶交を賭けて、理央と数学テストの勝負をする事に……。 そんな澪が、やがて理央の隠された内面を知り、理央に関心を寄せるようになる。 その関心は、やがて好意へと変わっていく。 自分が何なのか、何処に向かって進んでいるのが、どうあるべきなのか。 それが分からずにもがき悩む澪と理央。 恋するとは何なのかも分からない二人の関係は幾重に交差していく。 恋が芽生えていく過程を丁寧に描いた力作です。 最後に、澪と理央を温かむ見守る読者自身の心に出会う事が出来るでしょう。 青春時代の淡くて切ない恋心を追体験したい方は、是非お読みください。
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須羽さんこんばんわ。すばらしいレビューを、しかも2回目をいただいてしまい、恐縮しております… それにしても、いつもながらポイントポイントで私が強調したかった要素(でも文章力が絶望的にないので表現しきれていないだろう部分)を的確に読み取っていただき、本当に嬉しいです。 青春ものというジャンルを借りて、高校生という年齢ならではの悩みや葛藤を描いてみたかったのです。甘さもキラキラもほとんどないですが、書きたかったものを詰め込んだという気はしています。それをきちんと読み取っていただけたのが、一番嬉しいです。いい読み手に読んでもらえるというのは、書き手冥利に尽きます。 でも、こんなのでいいのか?とい
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